「いつか島へ」を、現実の選択肢に。外の世界で頑張る若者と、島で待つ私たちが創る「小値賀のブーメラン戦略」

春。フェリーの汽笛が鳴り、港に色とりどりの紙テープが舞う季節。進学や就職で小値賀を離れる若者たちの背中を見送る時、島に残る私たちはいつも「いつか帰ってきてほしい」という願いを胸に秘めています。
地方の人口減少は、よく「穴の空いたバケツ」に例えられます。若者が島外へ流出していく穴を塞がない限り、地域は豊かにならない、と。
しかし、私たちはただその穴を塞ぎ、若者を島に引き留めることだけが正解だとは思っていません。むしろ、一度は思い切り外の世界を見てきてほしい。広い海を知り、都会の波に揉まれ、最先端の技術や新しい価値観に触れてきてほしいのです。
そして、そこで得た知識や経験を最大の武器にして、いつかこの島に戻ってきてほしい。
私たちが目指しているのは、若者の流出を嘆くのではなく、彼らを力強く引き戻す「ブーメラン戦略」です。
Uターン最大の壁「仕事と収入の不安」をなくすために
とはいえ、「島に帰りたい」と思った時に、立ちはだかる現実があります。
「自分に何ができるかわからない」「いきなり家業を継ぐのはプレッシャー」「正社員としての安定した収入はあるのか」。そんな切実な不安があるからこそ、帰る決断ができずにいる若者も多いはずです。
その不安をふわりと受け止める「クッション」のような居場所を作るため、私たちは現在、小値賀での新しい働き方の受け皿となる「特定地域づくり事業協同組合」の立ち上げ準備を進めています。
これは、例えば「午前中は農業で土に触れ、午後は港で海風を感じながら働く」といった、島ならではの多様な仕事を組み合わせる働き方です。最大のポイントは、「協同組合の正社員」としての安定した給与と保証が約束されるということ。
この仕組みがあれば、「安定」を手放すことなく、島での働き方をじっくり試すことができます。外で学んだスキルを活かせる場所を、自分のペースで見つけていけばいいのです。
島の事業者の皆様へ。一緒に「帰る場所」を創りませんか
そして、この「ブーメラン」をしっかりと受け止めるためには、島内の企業や個人事業主の皆様の協力がどうしても欠かせません。
協同組合という「仕組み」だけがあっても、そこで組み合わせる「実際の仕事」がなければ、この受け皿は完成しないからです。
「フルタイムで人を雇う余裕はない」「繁忙期の数ヶ月だけ人手が欲しい」「週に数時間だけ手伝ってくれる人がいれば…」。そんな皆様の事業所にある「小さな仕事」や「細切れの業務」を、どうか少しずつ持ち寄らせてください。
一つひとつは短い時間の仕事でも、それらを組み合わせることで、一人の若者が島で暮らしていくための「立派な生業(なりわい)」に生まれ変わります。島内のあらゆる事業者が少しずつ手を取り合い、新しい働き方のピースを提供し合うこと。それこそが、若者たちが安心して帰ってこられる最強のステージづくりになります。
おぢか求人ナビは、あなたと島をつなぐ「へその緒」
遠く離れた街で頑張るあなたにとって、この「おぢか求人ナビ」が単なる求人検索サイトではなく、島とあなたをつなぐ「へその緒」になればと願っています。
「今の小値賀、なんだか面白いことになってるぞ」
「島の大人たちが一緒になって、新しい働き方を作ってくれているらしい」
離れていても島の進化を共有し続けることで、あなたの心に小さな火種を灯し続けたいのです。
どうか大志を抱いて、外の世界を楽しんできてください。あなたが外で流した汗や涙、そして身につけたスキルは、将来この島を最高に面白くするための、かけがえのない財産になります。
あなたがふと「帰ろうかな」と思ったその時に、島のみんなで創った最高のステージと温かい居場所を用意して待っていること。それが私たちの役目です。
フェリー乗り場で、今度は「おかえり」と笑い合える日を楽しみにしながら。今日も小値賀で、あなたを迎える準備を進めています。
